広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.239『tattva Vol.6』BOOTLEG
蔦屋書店・竺原のオススメ『tattva Vol.6』BOOTLEG
“ポストコロナのビジネス&カルチャーブック”として2021年4月に発刊されたのがこの『tattva(タットヴァ)』。
聞き馴染みのない言葉と思いますが、タットヴァというタイトルはサンスクリット語で「それがそれとしてあること」を意味する「tattva」と、日本語の「尊ぶ(たっとぶ)」が由来となっており、物事をゆっくりと見つめながら共生と共創を目指していきたいという想いが込められているとの事で、この成り立ちからして既に面白い匂いが漂って来ています。
聞き馴染みのない言葉と思いますが、タットヴァというタイトルはサンスクリット語で「それがそれとしてあること」を意味する「tattva」と、日本語の「尊ぶ(たっとぶ)」が由来となっており、物事をゆっくりと見つめながら共生と共創を目指していきたいという想いが込められているとの事で、この成り立ちからして既に面白い匂いが漂って来ています。
ではどんな内容で構成されているのかと言いますと、それこそ記念すべき創刊号となるVol.1の特集を振り返ってみると「なやむをなやむのはきっといいこと。」と題されています。
どういう事なのか一瞬あまりよくわからない感覚があったのでそれを自分なりに解釈してみると
・悩みというのは人間誰しも(もしかしたら人間以外でも)持っている当たり前のもの
=それ(悩み)がそれとしてあること
=tattvaという事
・悩みというのは基本的にネガティブなニュアンスが含まれるものであるが、それを“いいこと”であるとしている
=物事をゆっくりと見つめながら共生と共創を目指していきたいという意気込み
=尊ぶという事
といった具合に分解された、誌名に沿いつつ個々人が誰しも共感し得る、ちょっと手に取ってみたくなる正にtattva的な興味深いテーマ設定になっているのだと思います。
どういう事なのか一瞬あまりよくわからない感覚があったのでそれを自分なりに解釈してみると
・悩みというのは人間誰しも(もしかしたら人間以外でも)持っている当たり前のもの
=それ(悩み)がそれとしてあること
=tattvaという事
・悩みというのは基本的にネガティブなニュアンスが含まれるものであるが、それを“いいこと”であるとしている
=物事をゆっくりと見つめながら共生と共創を目指していきたいという意気込み
=尊ぶという事
といった具合に分解された、誌名に沿いつつ個々人が誰しも共感し得る、ちょっと手に取ってみたくなる正にtattva的な興味深いテーマ設定になっているのだと思います。
編集長の花井優太さんはフリーランスのライターとして活動した後、2013年より博報堂ケトルに参加し、雑誌『ケトル』副編集長を経てこの『tattva』を創刊されたという経歴の持ち主で、これは氏の持つ強みと思いますが、ビジネス/アート/テクノロジー/ポップカルチャーといった多様な視点からのアプローチである一つのトピックを切り拓いている、という特色が本誌にも見て取る事が出来ます。
さて最新号Vol.6の特集は「生まれるうちあわせ。いい会議。」というもの。
そういえば“打ち合わせ”とか“会議”とかっていう言葉は、小さい時の世界には無かった言葉だよなぁと、まず何となく思いました。
そういえば“打ち合わせ”とか“会議”とかっていう言葉は、小さい時の世界には無かった言葉だよなぁと、まず何となく思いました。
正直記憶もあまりありませんが、小学生時代にそれに近しい事をしていた様な気がします。
ただそれは “学級会”と名されていて、話し合うというよりも各々が好き勝手に発言したものを最終的に先生がまとめる、みたいな内容だったと思いますし、それは中学高校でも同様であったかと思います。
いや、実際はやっていたけれど本当に記憶がないだけという可能性も十分考えられますが、恐らくやっていなかった風に思います。
ただそれは “学級会”と名されていて、話し合うというよりも各々が好き勝手に発言したものを最終的に先生がまとめる、みたいな内容だったと思いますし、それは中学高校でも同様であったかと思います。
いや、実際はやっていたけれど本当に記憶がないだけという可能性も十分考えられますが、恐らくやっていなかった風に思います。
アンケートを取った訳でもないのでわかりませんが、恐らく世の中の多くの人が打ち合わせや会議という言葉を使う様になったのは、就職をして、いわゆる“仕事”をし始めてからなのではないでしょうか。
と考えると、26歳で就職して現在30歳の自分はそれに関してはまだまだ勉強中の身である訳で、その意味で本作は特に私の様な若造にとって非常に有用であるという事が出来ます。
と考えると、26歳で就職して現在30歳の自分はそれに関してはまだまだ勉強中の身である訳で、その意味で本作は特に私の様な若造にとって非常に有用であるという事が出来ます。
“会議の方法”や“打ち合わせの極意”といった文脈の書籍は数多くあって、それらは我々の気持ちを昂らせてくれるとても良いものですが、一方でこの『tattva Vol.6』の様なアプローチによって「いい話し合いとは何なのか?」はたまた「人はなぜ話し合うのか」というそもそもの地点から考え直すというのは実に新鮮で、だからこそ興味深く読む事が出来ました。
誰かと話すという行為は人間誰しも行っている事であるという意味で、この作品は仕事をしている人だけでなく、万人に作用する力を持っていると思いますので、是非とも色んな方にページをめくってみて頂きたいと感じます。
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