広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.182
蔦屋書店・竺原のオススメ 『永遠のフィッシュマンズ』 ele-king編集部/P-VINE
「フィッシュマンズ」をご存じだろうか?
主に90年代を舞台に音楽シーンを彩った日本のバンドだ。
レゲエ/ロック/ファンク/ヒップホップ等々、様々な音楽的要素を取り入れた唯一無二なサウンドと、エモーショナルな詩や演奏が多くの人を虜にした。
20代から30代にかけて活躍した若い彼らの姿を見て「これから私たちをどんな世界へ連れて行ってくれるのだろう」とワクワクしていた方々も多いと思う。
だがその期待は、ボーカル/ギターを担当し、楽曲のほぼ全ての作詞/作曲を行っていた佐藤伸治氏が1999年3月15日に急逝した事で、予期せず断ち切られる事となってしまう(それ以降トリビュートアルバムの発売やゲストボーカルを迎えてのライブを行うといった事はある)…。
主に90年代を舞台に音楽シーンを彩った日本のバンドだ。
レゲエ/ロック/ファンク/ヒップホップ等々、様々な音楽的要素を取り入れた唯一無二なサウンドと、エモーショナルな詩や演奏が多くの人を虜にした。
20代から30代にかけて活躍した若い彼らの姿を見て「これから私たちをどんな世界へ連れて行ってくれるのだろう」とワクワクしていた方々も多いと思う。
だがその期待は、ボーカル/ギターを担当し、楽曲のほぼ全ての作詞/作曲を行っていた佐藤伸治氏が1999年3月15日に急逝した事で、予期せず断ち切られる事となってしまう(それ以降トリビュートアルバムの発売やゲストボーカルを迎えてのライブを行うといった事はある)…。
フィッシュマンズの名前は、当時の音楽ファンであればご存じの場合もあるであろう。
しかしリアルタイムで彼らの音楽に触れていない人間からすると中々ピンと来ないという話になってしまいそうだが、2020年代において彼らは、意外な所から、より多くの人々にその名前を知られ、注目される事態となっている。
その意外な所というのが、海外の音楽愛好家たちである(海外のオンライン・コミュニティーで紹介された事をきっかけとして人気が爆発した等、注目を集めた過程に関しては諸説ある)。
そして、そんな海外での評価を経て、言うなれば「逆輸入」的に令和の時代を生きる現代日本においてもその認知が上がるという現象にも至っている。
世界中の、そして今の日本の人々にもその音楽性や作品のクオリティを知ってもらえるというのは、例えばデビュー以来のファンの方々にとっても非常に嬉しい事なのではないだろうか。
しかしリアルタイムで彼らの音楽に触れていない人間からすると中々ピンと来ないという話になってしまいそうだが、2020年代において彼らは、意外な所から、より多くの人々にその名前を知られ、注目される事態となっている。
その意外な所というのが、海外の音楽愛好家たちである(海外のオンライン・コミュニティーで紹介された事をきっかけとして人気が爆発した等、注目を集めた過程に関しては諸説ある)。
そして、そんな海外での評価を経て、言うなれば「逆輸入」的に令和の時代を生きる現代日本においてもその認知が上がるという現象にも至っている。
世界中の、そして今の日本の人々にもその音楽性や作品のクオリティを知ってもらえるというのは、例えばデビュー以来のファンの方々にとっても非常に嬉しい事なのではないだろうか。
…そんなフィッシュマンズ、実は今年2021年でデビュー30周年になる。
本作はそんな節目を記念して、フィッシュマンズのメンバーへの(過去のものも含めた)インタビューや、彼らからの影響を公言するアーティスト、あるいはいちリスナーとして当時を過ごしていた各界著名人等が寄稿するといった構成になっている。
(色々述べておいて恐縮ではあるが)当時を知らない自分としては、この一冊は彼らを紐解く為の非常に有用な資料であり、それと同時に、フィッシュマンズや彼らに近しい方々が過ごしていた空間に流れていたであろう空気感や雰囲気という、その時その場にいた人にしか感じ得ない非常に貴重なものを我々に与えてくれる、ある種のタイムスリップの装置的な存在の様でもある。
本作はそんな節目を記念して、フィッシュマンズのメンバーへの(過去のものも含めた)インタビューや、彼らからの影響を公言するアーティスト、あるいはいちリスナーとして当時を過ごしていた各界著名人等が寄稿するといった構成になっている。
(色々述べておいて恐縮ではあるが)当時を知らない自分としては、この一冊は彼らを紐解く為の非常に有用な資料であり、それと同時に、フィッシュマンズや彼らに近しい方々が過ごしていた空間に流れていたであろう空気感や雰囲気という、その時その場にいた人にしか感じ得ない非常に貴重なものを我々に与えてくれる、ある種のタイムスリップの装置的な存在の様でもある。
7月9日に『映画:フィッシュマンズ』と題されたドキュメンタリー作品が公開されたりと、先に述べた通り今年デビュー30周年を迎える彼らの名前を耳にする機会は今後も増えて行きそうだが、是非この一冊を入口としてその世界観を堪能して頂きたい。
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