広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.166
蔦屋書店・作田のオススメ 『戦場の秘密図書館 〜シリアに残された希望〜』マイク・トムソン/文溪堂
年齢を重ねても知らないこと、今更聞けないこと、改めて勉強したいことがふと頭をよぎることがあります。
そういう時にわたしは児童書を手に取ることがあります。
そういう時にわたしは児童書を手に取ることがあります。
児童書は、わかりやすい文章で書いてあるので大人(と言うにはかなり年齢を重ねておりますが)のわたしにはとても理解しやすくなおかつ奥深いものがあり、たくさんの気づきや知ることのきっかけを与えてくれます。
『戦場の秘密図書館〜シリアに残された希望〜』は、書店員として、本を取り巻く様々な現実をわたしなりに知りたくて手に取りました。
舞台はトルコの南、イラクの西に位置している国「シリア」の首都「ダラヤ」です。
この地域では、国が民主化を求める平和的な抗議活動を抑え込むために軍隊を使って包囲し、反政府の立場に立つ人々の出入りを禁止しました。
そのため、外部からの援助を受けることが出来ず食べ物はもちろん薬を始め、何もかも外から入ってこない有様なのです。
この地域では、国が民主化を求める平和的な抗議活動を抑え込むために軍隊を使って包囲し、反政府の立場に立つ人々の出入りを禁止しました。
そのため、外部からの援助を受けることが出来ず食べ物はもちろん薬を始め、何もかも外から入ってこない有様なのです。
そんな状況の中で、街の人が命がけで救い出した何千冊もの本を隠した秘密の図書館がある。との噂を聞きつけた、一人の海外特派員が書いたノンフィクションです。
まず登場するのは図書館の創設メンバー、バーシトとアナス、フマームの大学生たちです。
命のキケンと隣り合わせの毎日の中でなぜ図書館をつくるのか。
その答えは「武器を持って戦う以外のかたちで街の役にたちたい」という想いからでした。
「互いに学んできた分野の知識を分かち合い、学びあおう。その一環で爆撃から免れた本たちを救おう。そうすることで本の本来の持ち主も分かるし、自分たちも含めて街の人々にも読んでもらえる」
命のキケンと隣り合わせの毎日の中でなぜ図書館をつくるのか。
その答えは「武器を持って戦う以外のかたちで街の役にたちたい」という想いからでした。
「互いに学んできた分野の知識を分かち合い、学びあおう。その一環で爆撃から免れた本たちを救おう。そうすることで本の本来の持ち主も分かるし、自分たちも含めて街の人々にも読んでもらえる」
さあ次は場所探し。
政府軍の爆撃の標的にならないように選んだ場所は爆撃で破壊された建物の地下室。
なぜなら通りには誰も住んでおらず辺りは瓦礫の山だから。
続いて取り組んだのは本の救出。
建物の裏側にも天井にも穴を開けて毛布で本を包み運び出していきます。
政府軍の爆撃の標的にならないように選んだ場所は爆撃で破壊された建物の地下室。
なぜなら通りには誰も住んでおらず辺りは瓦礫の山だから。
続いて取り組んだのは本の救出。
建物の裏側にも天井にも穴を開けて毛布で本を包み運び出していきます。
そして2013年12月に図書館が開館しました。
司書室は本が大好きな14歳の少年アムシャド。
ダラヤで何が起こっているか、図書館から世界へ情報発信を続けているシハーダ、読書会を始め利用者とのコミュニティーを受け持つサーラ等様々な方たちが関わっていきます。
ダラヤで何が起こっているか、図書館から世界へ情報発信を続けているシハーダ、読書会を始め利用者とのコミュニティーを受け持つサーラ等様々な方たちが関わっていきます。
話は変わって、内戦などが起こっていない日本に住む私達の周りですが、昨年からのコロナウイルス感染拡大のため、それまで当たり前に出来ていたことにブレーキがかかったり、延期になったり、中止になったり等が続いています。
反面家にいることが多くなったことで大好きな本を読む時間や冊数も増え、本好きの一人として、書店員の一人として、少しずつですが引き出しを増やすことが出来ている事を感じています。
この本からは世界で起きていることを、まず知る、そしてどんな時でも希望を心に持って今出来る事をすることの大切さ、そうすることで必ず人と人とが繋がり、より良く夢に近づけるということを教えてもらいました。
最後に秘密図書館創設者メンバーのひとり、バーシトのメッセージを書きます。
「本は雨のようなものじゃないかな。雨の降り注ぐ土地に草木が育つように、本を読めば人間の知恵は花開くのだから」。
最後に秘密図書館創設者メンバーのひとり、バーシトのメッセージを書きます。
「本は雨のようなものじゃないかな。雨の降り注ぐ土地に草木が育つように、本を読めば人間の知恵は花開くのだから」。
この思いをわたしも心にしっかりと受けとめて本を読み。
世界を広げ、人とつながることの素晴らしさを追求していきます。
世界を広げ、人とつながることの素晴らしさを追求していきます。
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