広島 蔦屋書店が選ぶ本 VOL.130

そんな楽しかった少年時代もいつの間にか過ぎ、オカルトや超能力ブームもだんだんと下火になり、気がつけばノストラダムスを怖がる気持ちも忘れてしまった。

そして、やってきた1999年7の月(*26)にも、特に世界はパニックになることは無かった。

自分自身も今振り返ってみてもどう過ごしていたか思い出せないぐらいあっさりと通り過ぎた。

 

最近はUFOの目撃情報(*27)も、宇宙人が解剖された(*28)というニュースも耳にしない。

ビッグフット(*29)やツチノコ(*30)はどこに行ってしまったのだろう。

超能力者は最近どこでなにを曲げているんだろう。

 

あの頃はよかった、とか、あの頃に戻りたい、というわけではないけど。

こうやって思い出すと、なんか楽しかったなって思う。

あの頃は世の中にわからないことや知らないことが、たくさんあった。

スマホなんてないし、インターネットも無かったから調べる手段もなかった。

だから、友達のお兄ちゃんの友達から聞いたという情報でわかった気になっていた。

 

でも、それぐらいでよかったんじゃないか。

情報があまりにも溢れていて、その情報を自ら発信することができて、それによってどこかでだれかが傷ついているかもしれないのが今の世の中だ。

あえて情報から目をそらしたくなることも多い。

 

そんな時、この『ムー ビジュアル&アート集』(*31)を開くとあの頃の興奮が蘇ってきて、この先の未来にはもっと面白いことがあるんじゃないか?

 

 

って思えたり、思えなかったり、、、

 

 

 

(*26)1999年7月に発売された、『ムー』 1999年8月号ではノストラダムス総特集だったのだが、きちんと9月号の予告も載っていた。張本人とも言える、五島勉に至っては、その日はよく覚えていないけど、普通に過ぎたんじゃないか。なんてのんきな事をおっしゃっていたらしい。

 

(*27)マジェスティック12とか、キャトルミューティレーションなんて言葉を聞くと、テンションが上がりますが、今では聞かなくなりましたね。

 

(*28)ロズウェルに墜落したUFOから回収された宇宙人を解剖している映像が公開された時は衝撃を受けました。あれは妙にリアルで怖かったなぁ。

 

(*29)アメリカの雪山で目撃されるUMA(未確認動物)。身長が2~3メートルあると言われる巨人。ビックフットの足跡を石膏で型取りしたものの実物を見たことがあるが、想像していたよりそんなに大きくなかったので、ちょっとがっかりした記憶がある。

 

(*30)日本に生息すると言われているUMA(未確認動物)。胴が膨らんだ蛇のような見た目だが、2メートルぐらいジャンプするので、襲われると危ないと聞いたことがある。私の地元の広島県でも、発見して生け捕りにすると賞金300万円がもらえるというのをやっていた。

 

(*31)玄光社から、2020年4月に発売された、ムーのビジュアルやアートワークに特化した特集本。美しい表紙のイラストや特集ページのアートワークなどをこれでもかというぐらい堪能できる。新海誠、みうらじゅんなどのインタビューも読めるし、いままでの特集記事のタイトルがすべて載っていたり、楽しい以外の何物でもない最高の1冊。

 

 

次頁へつづく

 

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