【広島 蔦屋書店】まもるために
フェア・展示
1号館1F 広島 蔦屋書店 2019年07月03日(水) - 08月25日(日)
つながってほしい 生きていてほしい
胸が締め付けられるような事件や事故が相次いでいます。
青だった信号に従い横断歩道を渡っていた親子、車道から離れた場所で信号待ちをしていた園児が、車に突っ込まれ亡くなりました。
なんの罪もない人が巻き込まれてしまう理不尽さ。被害者には、身を守る手立てがこれ以上なかったということに呆然としてしまいます。
その後に起きた川崎の事件。スクールバスに乗るため待っていた子やその保護者がふいに背後から襲われました。一瞬すぎて、何が起きたかすら分からなかったでしょう。ごくありふれた日常の中に、突如として襲いかかってくる悪夢のような事態。全くもって他人事ではなく、怖くて震えます。どうやったら命を落とさずにいられるのだろうか、と。
身勝手な凶行は本当に許せないし、被害者のことを思うと辛くてたまらない。けれど、容疑者に対しての「一人で死ね」という声を耳にして、胸がザワザワしました。
かばうつもりなんて毛頭ありませんが、不必要とされた人、絶望の淵にあるであろう人に向かって「死ね」と言い放つこと、そこに更なる恐怖を覚えたのです。
誰も、死んでいいわけないじゃないか。みんな、生きてなきゃいけないじゃないか。
私たちを取り巻く社会は、いったいいつからこんなに不寛容で、優しくなくなってしまったのでしょう。弱者に対して「死ね」なんて言葉を投げかけず「生きよう」と言える社会でありたい。生きていてほしい、生き抜いてほしい、そんな祈りにも似た願いを今回のフェアに託しました。
広島 蔦屋書店 文芸 中渡瀬
【読んでいただきたい一冊】
蔦屋書店・江藤のオススメ 『幽霊人命救助隊』
高野和明 文藝春秋
- 期間 7月3日(水) - 8月25日(日)
- 場所 1号館1F 広島 蔦屋書店