【広島 蔦屋書店】そうだ 損をしよう。
フェア・展示
1号館1F マガジンストリート 2021年11月17日(水) - 01月02日(日)
高い志を持って作ったのですが、仕上がりが非常にゆるいフェアが出来上がりましたので紹介させてください。
その名も「そうだ、損をしよう」フェア
そんな本も売っている私が言うのもなんですが、なんでもかんでもコスパとか時短とか、意識高い系とか、じゃなくてもいいのではないでしょうか。
言うなれば「志は高く意識は低い」ってフェアです。
どうも最近はあらゆるところであらゆる人が、損をすることを嫌っている様子が伺えます。
しかし、むしろ損を引き受けるような生き方をしている人もまた一方で目にするのです。
さらに恐ろしいことに、損をあえて取りに行くような人のほうが生き生きとしているではありませんか。
僕はこういった人をポジティブに損を取りに行く「ポジ損をとりにいく人」とリスペクトを込めて呼んでいます。
このフェアに込めた熱い思いは、ポスターに詰め込んでいる文字を読んでいただくと、わかって貰える人には深く、そうでない人には浅く、伝わるのではないかと思っています。
ちょっと時間を無駄にしてもいいかなって気分になった人は、ポスターに書かれた文章の全文をこちらに転記しますので、読んでみてください。
LET’S ポジ損!
こんな場所に敷き詰められた文字を読もうというあなたにならおそらくわかってもらえるのではないかという希望を胸に抱いてこの文章を書き進めようと思います。さて、最近の世の中、情報過多でそのスピードも早すぎるように感じませんか。そういった世の中の流れに翻弄されてかどうかはわかりませんが、コスパ(コストパフォーマンス)だのタイパ(タイムパフォーマンス)だのを提唱している人や本が巷に溢れています。効率の悪いことは損であるからやめようと。しかしですよ、コストを節約して時間を切り詰めて、さてあなたは何を手に入れたのでしょう。本当に大切なことを切り捨ててはいませんか?あえて原典にあたっていませんので、記憶の中で改変されているかもしれませんが、私が感銘を受けたエピソードをここに記してみようと思います。星の王子さまだったでしょうか……、けっこうな道のりを歩いて井戸に水を汲みに行くのですが、それを見た誰かが言うんです。水道を引くなり、水場の近くに住むなり、もっと効率のいい方法を使えば、その毎日汲みに行く時間が節約できる、そうすると空いた時間で別のことが出来るよと。王子さまはこう言います。そうか、じゃあ僕はその空いた時間を使って、のんびり散歩しながら水を汲みに行きたいな。また別の話。とあるドラマのエピソード。大学では基礎研究という分野があるのですが、これは今すぐにお金になるような研究ではありません。国や企業はすぐにお金になる研究には金を出すのですが、基礎研究には出してくれないそうです。しかし、それではだめだと大学の教授は言うんです。世界は人間の理解を遥かに超えるほどに複雑なんだ。だから何がこの先役に立つかなんてだれにもわからない。なのに、これは無駄だなんていう判断が出来るのか。無駄だと思っていたことが、実は100年後の人類を救うことになるのかもしれない、と。ここまで読んでくれたあなたにならこの言葉が届くと思うのです。無駄に思われたり、意味がないと言われたり、なんでそんな事をするの?と言われても気にしなくていいんです。さあ、損をあえて取りに行くような生き方をしてみませんか。
- 期間 11月18日(水) - 1月2日(日)
- 場所 1号館1F マガジンストリート