【フェア】異形の芽生え 『奇病庭園』と川野芽生
人文
蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア 2024年02月01日(木) - 02月29日(木)
"近頃、竜を夢に見る。蛋白石の鱗は星灯りを受けて薄桃色に輝き、ひとたび翼を広げると湖はたちまちに太古の記憶を宿す鏡となる。竜は、人の言葉を操るようだった。鏡は歌となり、物語となった。自らの言葉を解す他者を求め、竜は月下の世界へと舞い降りる。その者、名を川野芽生という。"
(詩人 高田怜央)
この度、長編小説『奇病庭園』の刊行を記念し、著者である川野芽生さんの世界観を堪能できる展示を行います。
川野さんは、2021年、歌集『Lilith』により第65回現代歌人協会賞を受賞した歌人であり、第170回 芥川龍之介賞 候補作に『Blue』が選出されている小説家です。さらにはエッセイ集や評論集など、近年幅広いジャンルで新刊の出版が続いています。
代官山 蔦屋書店では、川野さんの著作の全体像を網羅するとともに、『奇病庭園』の挿画を担当した画家・菅野まり子さんの同書をモチーフにした新作絵画を展示販売します。また、紙と鉛筆を用いて、緻密な陰影表現による絵画を制作している宮下さゆりさんとのコラボレーション作品「歌と絵の往復書簡」を展示します。
本展示では、著書の購入特典としてオリジナル冊子を限定配布します。3部構成となる本冊子では、「Part I 広がる庭――コラボレーション」に菅野さんの新作絵画、川野さん自身による『奇病庭園』をモチーフにした書き下ろし短歌連作、親交の深い詩人・高田怜央さんによる『奇病庭園』の作中詩の英訳を収録します。「Part II 庭の種子――『奇病庭園』を育んだ本」に、『奇病庭園』の創作に影響を与えた本のリストと川野さんのコメントを収録。リストの書籍は店頭でも展開いたします。「Part III 庭師の部屋――川野芽生の実験室」では、ご自身の多様な創作を貫く3つのキーワードについて綴っていただきました。
ぜひ本フェアにて川野さんの領域を横断する文筆の奥行きをお楽しみください。
【関連イベント&オンライン配信】『Blue』(集英社)刊行記念トークイベント 川野芽生×岩川ありさ「トランス差別に抗うために、文学ができること」
https://en.store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/38505-1102520127.html
【プロフィール】
川野 芽生 (かわの・めぐみ)
歌人、小説家。2018年、第29回歌壇賞受賞。第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房、2020年)にて第65回現代歌人協会賞受賞。短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社、2022年)、掌篇集『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房、2022年)、長篇小説『奇病庭園』(文藝春秋、2023年)、エッセイ集『かわいいピンクの竜になる』(左右社、2023年)。「Blue」(『すばる』2023年8月号)が第170回芥川賞候補となる。
菅野 まり子 (すがの・まりこ)
東京生まれ。多摩美術大学大学院修士課程修了。2001年度文化庁在外研修員としてドイツ・ドュッセルドルフに滞在。現在、東京を中心に、Librairie6(恵比寿)、Zaroff(初台)、コバヤシ画廊(銀座)等で、作品を発表している。
描画されたモチーフと漆黒の顔料を使った背景によって、何時とも何処ともいえない情景を描き、時代に滅ぼされることなく残存した古今東西のイメージ群が、風のように去来し現在と出会する、神秘的な場面を描き続ける。これまでに、David Sylvian 『HYPERGRAPHIA』(samadhisound、2015)、寺山修司『時をめぐる幻想』(東京美術、2018)等に挿画の提供をしている。
宮下 さゆり (みやした・さゆり)
長野県長野市生まれ。2013年に武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コースを修了。
紙と鉛筆を用いて、緻密な陰影表現による絵画を制作している。主な作品として、テーブルと手影絵をモチーフとして絵画の成立を問う連作「テーブルはステージになる」、エドガー・アラン・ポーの詩に基づく連作「大鴉」、扉やカーテンといった媒介としてのイメージを描いた作品などがある。
近年の展覧会:グループ展「陰影のリビジョン」TALION GALLERY(2021)、個展「光、密室」TALION GALLERY(2019)、個展「あなたはどこへ」switch point(2018)など
髙田 怜央 (たかだ・れお)
翻訳者、詩人。1991年、横浜生まれ英国スコットランド育ち。上智大学文学部哲学科卒。主な翻訳に、映画「PERFECT DAYS」(制作・脚本・英語字幕、2023年)がある。英日詩に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』(paper company、2023年)、「FUTURE AGENDA [未来の議題]」他 二篇(『ユリイカ』2023年3月号、青土社)、「AFTER YOU [あなたの跡]」(読売新聞 11月24日・夕刊 、2023年)など。
(詩人 高田怜央)
この度、長編小説『奇病庭園』の刊行を記念し、著者である川野芽生さんの世界観を堪能できる展示を行います。
川野さんは、2021年、歌集『Lilith』により第65回現代歌人協会賞を受賞した歌人であり、第170回 芥川龍之介賞 候補作に『Blue』が選出されている小説家です。さらにはエッセイ集や評論集など、近年幅広いジャンルで新刊の出版が続いています。
代官山 蔦屋書店では、川野さんの著作の全体像を網羅するとともに、『奇病庭園』の挿画を担当した画家・菅野まり子さんの同書をモチーフにした新作絵画を展示販売します。また、紙と鉛筆を用いて、緻密な陰影表現による絵画を制作している宮下さゆりさんとのコラボレーション作品「歌と絵の往復書簡」を展示します。
本展示では、著書の購入特典としてオリジナル冊子を限定配布します。3部構成となる本冊子では、「Part I 広がる庭――コラボレーション」に菅野さんの新作絵画、川野さん自身による『奇病庭園』をモチーフにした書き下ろし短歌連作、親交の深い詩人・高田怜央さんによる『奇病庭園』の作中詩の英訳を収録します。「Part II 庭の種子――『奇病庭園』を育んだ本」に、『奇病庭園』の創作に影響を与えた本のリストと川野さんのコメントを収録。リストの書籍は店頭でも展開いたします。「Part III 庭師の部屋――川野芽生の実験室」では、ご自身の多様な創作を貫く3つのキーワードについて綴っていただきました。
ぜひ本フェアにて川野さんの領域を横断する文筆の奥行きをお楽しみください。
【関連イベント&オンライン配信】『Blue』(集英社)刊行記念トークイベント 川野芽生×岩川ありさ「トランス差別に抗うために、文学ができること」
https://en.store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/38505-1102520127.html
【プロフィール】
川野 芽生 (かわの・めぐみ)
歌人、小説家。2018年、第29回歌壇賞受賞。第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房、2020年)にて第65回現代歌人協会賞受賞。短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社、2022年)、掌篇集『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房、2022年)、長篇小説『奇病庭園』(文藝春秋、2023年)、エッセイ集『かわいいピンクの竜になる』(左右社、2023年)。「Blue」(『すばる』2023年8月号)が第170回芥川賞候補となる。
菅野 まり子 (すがの・まりこ)
東京生まれ。多摩美術大学大学院修士課程修了。2001年度文化庁在外研修員としてドイツ・ドュッセルドルフに滞在。現在、東京を中心に、Librairie6(恵比寿)、Zaroff(初台)、コバヤシ画廊(銀座)等で、作品を発表している。
描画されたモチーフと漆黒の顔料を使った背景によって、何時とも何処ともいえない情景を描き、時代に滅ぼされることなく残存した古今東西のイメージ群が、風のように去来し現在と出会する、神秘的な場面を描き続ける。これまでに、David Sylvian 『HYPERGRAPHIA』(samadhisound、2015)、寺山修司『時をめぐる幻想』(東京美術、2018)等に挿画の提供をしている。
宮下 さゆり (みやした・さゆり)
長野県長野市生まれ。2013年に武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コースを修了。
紙と鉛筆を用いて、緻密な陰影表現による絵画を制作している。主な作品として、テーブルと手影絵をモチーフとして絵画の成立を問う連作「テーブルはステージになる」、エドガー・アラン・ポーの詩に基づく連作「大鴉」、扉やカーテンといった媒介としてのイメージを描いた作品などがある。
近年の展覧会:グループ展「陰影のリビジョン」TALION GALLERY(2021)、個展「光、密室」TALION GALLERY(2019)、個展「あなたはどこへ」switch point(2018)など
髙田 怜央 (たかだ・れお)
翻訳者、詩人。1991年、横浜生まれ英国スコットランド育ち。上智大学文学部哲学科卒。主な翻訳に、映画「PERFECT DAYS」(制作・脚本・英語字幕、2023年)がある。英日詩に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』(paper company、2023年)、「FUTURE AGENDA [未来の議題]」他 二篇(『ユリイカ』2023年3月号、青土社)、「AFTER YOU [あなたの跡]」(読売新聞 11月24日・夕刊 、2023年)など。
- 会期 2024年2月1日(木)~2024年2月29日(木)
- 時間 営業時間の通り
- 場所 蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア
- 主催 代官山 蔦屋書店
- 問い合わせ先 03-3770-2525