【お菓子博 旅のお菓子のお話】山椒魚

 
「袖擦り合うも他生のチャイ」
 
インドやネパールに行くと、チャイを頻繁に飲む機会があります。
見晴らしのいいところや、疲れてちょっと一息つきたいところに実にいい具合にチャイ屋さんがあるので、つい気軽にチャイを飲んでしまいます。付近にお店のないところでは、路上チャイ屋さんのような軽装のチャイを売る人もいて、チャイを頼むととても鮮やかな手つきで一杯ずつチャイを入れてくれます。
 

チャイはスパイスと紅茶の葉っぱを水と牛乳で煮立てて砂糖を入れて濾すという工程で作るのですが、茶葉が入って沸いた湯や、沸騰直前の牛乳は鍋から一気に溢れるように泡立ちます。チャイ屋さんは鍋を火から遠ざけたり近づけたりしながら絶妙に火加減を調整して、熱々のチャイを入れてくれますが、チャイ屋のおじさんの鮮やかな手技を見るのもチャイを飲むひとつの楽しみです。
また駅のホームなどは大きなやかんに入ったチャイを持ち歩いている人がいますが、その人がチャイ屋さん。ホームの端にいたチャイ屋さんと目が合うと、次の瞬間にはすぐ近くにきてチャイを入れてくれます。人でごった返すホームを他の乗客にぶつからずに一瞬で目の前まで来るその身のこなしも、チャイを入れる仕草同様楽しみのひとつなので、見つけたらぜひ声をかけて見てください。きっと甘くておいしいチャイを入れてくれます。あ、カレーの後に飲むチャイも格別なので、よろしければカレーもどうぞ。

 

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