【展覧会】赤松晃年個展「新しい風景」

アート|FOAM CONTEMPORARY
2023年05月20日(土) - 06月01日(木)
現代美術家・赤松晃年による個展「新しい風景」を、店内アートスペースFOAM CONTEMPORARYにて、2023年5月20日(土)~6月1日(木)の期間に開催します。
 
赤松晃年は北海道札幌市生まれのアーティストです。村上隆の愛弟子であるアーティスト・Mr.のアシスタントを務め数回オリジナルの作品を発表、近年では作品発表がありませんでしたが、昨年9年ぶりに個展を開催すると再び注目を集め、村上隆が長文のコメントを寄稿したことも話題となりました。
赤松の作品には、ギャル文化や日本のアニメや漫画、ゲームなどのオタクカルチャーを感じさせる「カワイイ」女の子が描かれています。アルバイト先で出会った、自分とは全く違う存在の「ギャル」に影響を受け、2010年よりギャル文化特有の「盛る」や「デコる」といったキラキラしたものや、アニメ絵に見られる「萌え」や「カワイイ」を織り交ぜた作品を制作してきました。
女の子は白いアウトラインで縁取られ二次元的で非現実的な可愛さを纏っているのに対し、背景は赤松が見た実在の場所や、親しみのあるキャラクターやアイコンが緻密に描写され、リアルさを感じさせます。
絵を描き続けるために紆余曲折を経て、不遇な経験を伴いながらもひたむきに絵と向き合ってきた赤松の作品には、人の心を引き付けるエネルギーを感じます。

「新しい風景」と名付けた本展では、これまでほとんど発表してこなかった大型作品を含め、新作の平面作品を発表します。困難な時期を乗り越え絵を描き続けてきた赤松による新境地を、ぜひ会場にてご覧ください。
 
[展覧会に寄せて]
私は1977年 北海道札幌の生まれで、現在46歳です。
建築資材販売の一般会社員の父と化粧品の販売や事務員などいつも働いていた母、5歳年上の兄と、3歳年上の姉の、普通の家庭に生まれ育ちました。
小、中学校時には、スポーツをやったり、オタクっぽい生き方もしましたが、何をやってもうまくいかず、絵を描くのが、1人きりで雑音がなにも聞こえなくなり、自分の性に合っているなと思いました。
高校2年の時に、北海道のある日本画の団体の会員の美術の先生に、美術部に入らないかと言われて入部しました。それをキッカケに芸術の道に入りました。
美術部は自由で、学校の裏が森林公園だったので、山に入って絵を描いたりしていました。
美大受験を目指しましたが、うまく行かず、4年浪人をしましたが、美大に入れず失敗。仕方なく、専門学校に行きます。
2000年に創形美術学校に入学。在学中、パルコ木下先生の指導を受けました。そのパルコの先生の紹介で、2006年頃 現代美術作家Mr.さんのアトリエで働く事となりました。
10時〜14時まで池袋の土風炉という居酒屋でアルバイトをして、17時〜22時まで神楽坂のジンギスカン屋でアルバイトをして、その後終電でMr.さんのアトリエでお手伝いをして、始発で帰るという生活を少ししていました。
はじめはフルタイムでしたが、だんだん頻度が減り、リンガーハットの深夜のアルバイトをフルタイムでし始めるようになりました。そのアルバイトの人達がギャルの皆さんで、仕事中に彼女らが話す内容を絵にする事を始めました。
Mr.さんの師である村上隆さんにも、色々目をかけてもらい、Mr.さんが関わるグループ展に誘われたり、村上さんがデヴューした大阪の青井画廊で、2013年「赤松は少し先のことを考えましたールシッド・ドリーム」展というのをやらせて頂きました。
ですが2016年頃、Mr.さんのアトリエで問題を起こしてしまい退職することになりました。
辞めた頃パニックになってしまって、青井画廊のオーナーの方に電話すると、村上さんに相談しなさいということで村上さんに電話をすると、田中一村のように生きる事を教えていただきました。
それは、1年半〜2年、絵と関係のない仕事に従事してお金を稼いで、3〜400万円貯まったらそのお金で画材を買い、数ヶ月だけ絵をつくる。お金が無くなったら、又、2年程働く。と、絵を売って食べるのではなく、本当に絵を描きたいのか否かを己に問う人生を生きるというものでした。
その話を聞いて、その日から就職活動をして、某インク会社のアルバイトに就きました。
グラビア印刷という、スーパーやコンビニで売っている商品パッケージ全般の印刷をする、シリンダーの製版をする機械オペレーターの仕事を5年間務めました。
そこで、自分より後に入社した若い社員に追い越されてしまって憤ってしまい、騒ぎを起こして、2021年退職致しました。
とにかく、色んな意味で、自分は愚かだとは思いつつ、バカにされ続けた人生を呪い生きて来ましたが、絵を描く行為の瞬間だけ、自分が透明になっていくのです。
今回、この蔦屋での展覧会も、大雅堂の庄司さんやコレクターの北田治さんなどの助けを借りて、ご紹介頂いたご縁です。こんな銀座の立派な場所で、僕みたいな最底辺の人間の個展をさせて頂けるなど、夢を超えて奇跡としか思えません。
京都の大雅堂での展覧会では、北海道から両親を呼び寄せて展覧会を見てもらい、親孝行をさせて頂きました。2人とも泣いて喜んでくれて、僕みたいなろくでなしでも生まれてきて、両親と心の奥底で抱き合えて良かったなと思っています。
そういった、本当にささやかな喜びのようなものを、絵画を通じて皆さんと共有できればと思っています。
絵そのものは、本当に下手くそで、恥ずかしくもありますが、一生懸命描く事しかできません。その描く事を見せる事が、僕の活動だと思っていますので、皆さんどうぞよろしくお願いします。
そんな僕の新しい人生の風景「新しい風景」が、本展のタイトルです。
 
赤松晃年
 
[アーティストプロフィール]
赤松晃年/Akitoshi Akamatsu

1977年 北海道札幌市生まれ
2004年 創形美術学校研究科卒業
2007年 Mr.アトリエに勤務

<個展>
2004年 「そこは小さな夢の国」(ギャラリーeシエスタ/東京)
2005年 「赤松晃年展」(ギャラリー銀座芸術研究所/東京)
2011年 「THE☆AKAMATSU」(Hidari Zingaro/東京)
2013年 「赤松は少し先の事を考えました-ルシッド・ドリーム」(青井画廊/大阪)
2022年 「赤松晃年展-Good morning. I’ll do my best as well.-」(大雅堂/京都)

<グループ展>
2004年 「GEISAI#10」(東京ビッグサイト/東京)
2010年 「Mr.のChildren展大阪やで!!」(青井画廊/大阪)
           「Mr.のChildren」(Hidari Zingaro/東京)
           「GEISAI#14」(東京ビックサイト/東京)
2012年 「SCOPE BASEL 2012」(SCOPE BASEL Pavilion/バーゼル)
 
[販売について]
会場にて5月20日(土)11時より販売します。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。
※オンラインでのお取り扱いはございません。
 
  • 会期 2023年5月20日(土)~6月1日(木)※終了⽇は変更になる場合があります。
  • 時間 11:00-19:00 ※最終⽇のみ18時まで
  • 休廊日 月曜日
  • 会場 銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY
  • 入場 無料
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 協力 大雅堂/KA FACTORY
  • お問い合わせ 03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
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