ブレイディみかこさんの最新小説『リスペクト―R・E・S・P・E・C・T』の刊行を記念したトークイベントを開催します。

ロンドンオリンピックの2年後にロンドンで実際に起きた占拠事件をモデルにした本作は、オリンピックパーク用地だったホームレス・シェルターを理不尽に追い出されたシングルマザーたちが、少しばかりのリスペクトと人の尊厳を求め、人種や世代を超えて連帯して立ち上がる物語です。
日本でも都市の再開発が相次いでおり、まさに東京オリンピックから2年後を迎える「日本」の読者に「今」届けたい作品だとブレイディさんはいいます。

「やれるか、やるべきか、じゃない。やるしかないときがある。」
そのスピリットを世界に示した若い母親たちがいた――そのパワーについて、本書に強い共感を寄せる政治学者の栗原康さんとお話しいただきます。
栗原さん自身も、日本の女性解放運動家である伊藤野枝とそのパートナー・大杉栄の本『伊藤野枝セレクション』『大杉栄セレクション』(平凡社)を上梓されたばかり。折しも伊藤野枝・大杉栄没後100年の本年に、「自分たち自身でやってやる」を体現した日本と英国の女性たちのパワーについて深くお話しいただく時間となることでしょう。

ブレイディさんがこれまで語ってきた「エンパシー」から、「リスペクト」という概念へのアップデートを告げる本作。
イギリス在住のブレイディさんが本書の刊行に合わせて来日され、直接お話を伺える貴重な機会となります。どうぞお聞き逃しなく！
 
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【プロフィール】
ブレイディ みかこ (ぶれいでぃ・みかこ)
ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年、『子どもたちの階級闘争 ―― ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)で第16回新潮ドキュメント賞受賞。2018年、同作で第二回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞候補。2019年、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)で第73回毎日出版文化賞特別賞受賞、第二回Yahoo! ニュース―本屋大賞 ノンフィクション本大賞受賞、第七回ブクログ大賞(エッセイ・ノンフィクション部門)受賞。 著書は他に、『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』『ジンセイハ、オンガクデアル ―― LIFE IS MUSIC』『オンガクハ、セイジデアル ―― MUSIC IS POLITICS』『ワイルドサイドをほっつき歩け――ハマータウンのおっさんたち』(ちくま文庫)、『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『女たちのテロル』(岩波書店)、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』(新潮社)、『他者の靴を履く ―― アナーキック・エンパシーのすすめ』(文藝春秋)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)他多数。

栗原 康 (くりはら・やすし)
東北芸術工科大学非常勤講師、政治哲学者。1979年埼玉県生まれ。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝――永遠のアナキズム』(角川ソフィア文庫)、『村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝』(岩波書店)、『アナキズムーー一丸となってバラバラに生きろ』(岩波新書)、『はたらかないで、たらふく食べたい――「生の負債」からの解放宣言』 (ちくま文庫)、『死してなお踊れ――一遍上人伝』(河出文庫)、 編著書に、『狂い咲け、フリーダムーーアナキズム・アンソロジー』(ちくま文庫)、『伊藤野枝セレクション』『大杉栄セレクション』 (平凡社ライブラリー)などがある。