【本のBATON Vol.10】20歳のときに知っておきたかったこと|ワークスタイルコンシェルジュ 三砂

 
 20歳のときに知っておきたかったこと
 
高校生や大学生のときに読んでいたら間違いなく自分の価値観がかわっていた、人生の羅針盤となる本を紹介します。
「なぜ、世界には貧しい人がいる一方で、途方もない金持ちがいるのか」「なぜ勉強しないといけないのか」「なぜ働くのか」など、これからの人生を考えるための一生ものの本です。一流企業に就職して、昇進する成功がバブルで終わったとしたら、予測ができないこれからの社会を生き抜くためにもっとも必要なことは、誰かに決めてもらうのではなく、自分のあたまで考え続けること。明確な答えのある問題ではなく、答えが出ない問いにこそ、未来が開けるはずです。
 
『父が娘に語る経済の話』 ヤニス・バルファキス/著 ダイヤモンド社
 
「なぜ、世界には貧しい人がいる一方で、途方もない金持ちがいるのか」の答えは、「言語」と農耕の発明による「余剰」だと説き、分配が偏った国家を支えるために、官僚や軍隊が誕生し、その権威を裏付けるために制度化されたものが宗教だという。アダム・スミスが産み出した経済学こそが、現代の新しい宗教だとまで言ってしまう筆力に茫然。人生観が変わります。
 
『僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版』 瀧本 哲史/著 講談社
 
 
「社会に出てから本当に意味を持つのは、インターネットにも紙の本にも書いていない、自らが動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。自分の力でやったことだけが、本物の自分の武器になるのである。」
日本が経済的に厳しい状況を見通し、それを嘆くのではなく、厳しい世の中でしたたかに生き残り、自ら新しい「希望」を生みだすための一生ものの白熱授業。
 
『おいしい資本主義』 近藤 康太郎/著 河出書房新社
 
 
いつの時代も主流に対する周縁は存在します。本書のテーマは、資本主義から降りて、もう一つの生き方を選べないか? 朝日新聞の名物記者、近藤康太郎氏が体当たりで「オルタナ農夫生活」に挑戦。最古の古い貨幣がたかだか数千年前。音楽やダンスの歴史は人類創世とほぼ同時といい、「人は、音楽や踊りがなければ生きていけない。しかし、カネがなくても生きてはきたんだ」という独白にしびれました。
 
『20歳のときに知っておきたかったこと』 ティナ・シーリグ/著 CCCメディアハウス
 
 
自分に何ができるのか? それを決める最大の要因は、自分の心がまえだと著者はいいます。世の中の常識や問題を解決してきたイノベーターたちは、いつも世界を別のレンズ――問題に新たな光を与えることのできるレンズ、で見てきました。この本を読めば、日常のなかで問題にぶつかったとき、これはチャンスだというひらめきを味わえるはず。
 
『なぜ働くのか』 バリー・シュワルツ/著 朝日出版社
 
 
 
なぜ、私たちは刺激にみちた冒険を味わう生活ではなく、毎日ベッドから這い出す毎日を送っているのか? 学校に通い、会社に通う意味はなんなのか?
誰かと比べる幸せや給料ではなく、自分自身のかけがえのない人生を生き抜くための革命的な仕事論。
 
 
プロフィール:ワークスタイルコンシェルジュ 三砂

梅田 蔦屋書店 ワークスタイル・人文

こよなく本を愛しています。新しい本との出会いの場をつくる企画「読書の学校」を梅田 蔦屋書店にて、隔月で開催しています。NHK文化センター京都教室にて、「人生に効く!極上のブックガイド」を担当。実際に読んでみたら途方もなく面白かった本を『サンガジャパン』(サンガ)や、『WEB本がすき。』(光文社)などで紹介しています。

 
コンシェルジュをもっと知りたい方はこちら:梅田 蔦屋書店のコンシェルジュたち

「本のBATON」は梅田 蔦屋書店コンシェルジュによる書籍・雑貨の紹介リレーです!
10個目のバトンはワークスタイルコンシェルジュがお送りしました。
次のバトンもお楽しみにお待ちください。
 
 
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