【展示】MIKITYPE "snow falling on cedars"
フェア・展示
六本木 蔦屋書店 2F BOOKBOOK GALLERY 2022年10月22日(土) - 01月29日(日)
好評につき、会期を1月17日(月曜日)から29日(日曜日)まで延長いたします。
自然とカリグラフィー
――MIKITYPEの風景画
――MIKITYPEの風景画
息をのむように筆が画面に着地したかと思えば、素早くそしてリズミカルだが繊細に書かれていたライン。そのインクは白く、雪解け水のように滴り、湿度を保ったまま画面上に存在している。その線は一見文字のように見えるが、決して記号のように人工的な線ではなく、むしろ風に揺れる草木のようである。彼の絵画は、カリグラフィーという様式を用いた風景画なのだ。
本来カリグラフィーとは、文字を装飾的にしたもので、あくまでも文字にとどまっているが、MIKITYPEはカリグラフィーの技術や筆を使う身体性はそのままに、文字という伝達手段を飛び越えて絵画として昇華させたのである。
札幌生まれの彼が幼い頃に見た原風景。あたりを見渡せば一面が白い世界。草木に雪がつもり、その上に生えた葉にもまた雪が積もってゆく...。その複雑なレイヤーで構成されている風景をMIKITYPEはカリグラフィー特有の手首や腕の動き、1本のラインの中にインクの強弱を加えることだけで、極限まで筆数を減らし、描く。確かな技術に裏打ちされ、計算された繊細かつ力強い線が生み出す静寂な世界。
MIKITYPEの描く “snow falling on cedars (ヒマラヤ杉に降る雪)" 、その温度と流れる時間を感じてほしい。
鈴木萌夏 (現代美術史研究家/東京藝術大学博士課程)
【プロフィール】
MIKITYPE
アーティスト
1992 年札幌生まれ。2015 年武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。
大学で書体デザインを学びながら、2011 年ヘルマン・ツァップ氏の展示で
文字芸術としてのカリグラフィーに出会い、主催していた三戸美奈子氏のもと学びはじめる。
Comme des Garcons, Sacai, N.Hoolywood, Shiseido, Adidasとの協業や、
CartierやMontblancとインスタレーションを制作する。
- 期間(Part1) 10/22(土)-11/4(金)
- 期間(Part2) 11/11(金)-11/26(水)
- 期間(Part3) 12/16(金)-1/14(土)
- 期間(会期延長) 1/17(火)‐1/29(日)
- 時間 11:00~20:00(※予告なく変更の可能性があります)
- 場所 六本木 蔦屋書店 2F BOOKBOOK GALLERY