『ex-dreams もうひとつのミッドセンチュリーアーキテクチャ』の刊行を記念し、 編集・企画の福島加津也さん、冨永祥子さん、佐脇礼二郎さんの選書によるブックフェアを開催します。

2020年に発売され2週間で完売した『Holz Bau』から3年、 福島加津也、冨永祥子、佐脇礼二郎が編集・企画するガデン出版の第2弾、 『ex-dreams もうひとつのミッドセンチュリーアーキテクチャ』。

最も新しい建築素材であるアルミニウムに着目した、アメリカ建築のリサーチを端初とする本書。
精錬が難しく高価な金属だったアルミニウムが、技術の発展や軍需の拡大を通して建築の素材として用いられるようになる。独特の光沢をもつアルミニウムの未来的なイメージに人々は夢をみる。
アルミニウムをまとった建築は社屋や高層ビル、住宅へと広がり、やがてグーギー建築と呼ばれるロードサイドのダイナーへ、さらにはポストモダン建築へと発展していく。
モダンからポストモダンへの転換期にあたる19のアメリカ建築と4つの日本の事例を、 写真・図面に加え、当時の書籍・雑誌の再録、冨永祥子によるイラスト・漫画によって紹介しています。

情報をある型の中に収めていくリサーチではなく、 当時と現在の2つの時間を行き来する旅の記録の中で、 曖昧なイメージを含んだ存在を捉えようとするリサーチ。
本の中で、直接には語られない何かを、 読書後、共有したような気のする、稀有な一冊です。

今回のブックフェアでは、「Portrait,Landscape」のテーマのもと、「肖像」と「風景」、それぞれから連想される、『ex-dreamsもうひとつのミッドセンチュリーアーキテクチャ』と対になる本を選んで頂きました。

福島加津也さん、冨永祥子さん、佐脇礼二郎さん、お三方の選書を、会期中入れ替えて展示致します。

【プロフィール】
福島 加津也 (ふくしま・かつや)
1968年生まれ。建築家。福島加津也+冨永祥子建築設計事務所を主宰、東京都市大学教授。「工学と美学」をテーマに建築設計と研究活動を行う。

冨永 祥子 (とみなが・ひろこ)
1967年生まれ。建築家。福島加津也+冨永祥子建築設計事務所を主宰、工学院大学教授。「建築空間と体験の2次元表現」をテーマに漫画・ドローイングの制作活動を行う。

佐脇 礼二郎 (さわき・れいじろう)
1990年生まれ。建築家。福島加津也+冨永祥子建築設計事務所勤務。東京理科大学卒業、デルフト工科大学大学院修了。「建築をディグる」をテーマに建築設計と研究活動を行う。